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おすすめ公演




スペインの暑い夏、女たちのドラマ

  ロルカの名作が、コロス劇として蘇る!

 スぺインの民衆の魂の声を、多彩なイメージで豊かに表現したガルシア・ロルカ。その三大悲劇の一つ『ベルナルダ・アルバの家』は、古い因習の中、悲劇的な結束に向かって一直線に突き進んでいく女たちのドラマが見事に描かれている。
 2002年には岡本章の構成・演出で、現代能『ベルナルダ・アルバの家』として上演され、能・現代演劇・舞踏・現代音楽の卓越したコラボレーション作品として高い評価を得たが、今回はまったく新たな演出手法で、前作を大胆に解体し、能の枠を外し、現代演劇による斬新なコロス劇として挑戦する。
 ロルカの普遍性を持った[ことば]と、強度と自在さのある俳優の[身体性]が切り結び、アンダルシア地方の幾世代にもわたる非業の死者たちの赤裸々な内奥の声、思いが蘇り、生き直される。


■テクスト ガルシア・ロルカ/水原紫苑

■構成・演出 岡本章

■出演
 横田桂子 岡本 章 北畑麻美 牧三千子 村本浩子

■日時 2008年 9/19(金) 19:00 開演
           9/20(土) 15:00 19:00 開演
           9/21(日) 15:00 開演

■会場 錬肉工房アトリエ
              柏市柏7-4-15  》》》 地図を見る

■料金 前売 3,000円 当日3,300円 学生2,500円



■スタッフ
音楽 藤枝 守/照明 山口 暁/音響 須藤 力/衣装 中村裕身子/舞台監督 鈴木俊司/宣伝美術 宗利淳一/写真 宮内 勝

■主催・制作  錬肉工房
■助成  芸術文化振興基金
■お問い合わせ
錬肉工房 TEL 047-7163-9263/FAX 047-7163-7758


ベルナルダ・アルバの家』初演舞台評

コラボレーションの成果――大岡 淳
 特筆すべきは女優陣の使い方で、本来は役柄に応じて割り振られていた台詞の数々が、八人によってランダムに発せられるのだ。このため俳優は、固定した役柄とのつながりを断ち切られ、役柄それぞれの主観を超えた、言うならば共同主観性とでも呼ぶべき、集団の深層心理へと分け入っていく。この形式は、〈家〉に隷属し、封建的因習に束縛されて生きる女たちの心象を描写するという内容に見事に対応している。……近年、これほど緊密に各要素が結合したコラボレーションを、私は見たことがない。
演劇批評家 「テアトロ」2002年5月号

コロス表現の可能性――長井和博
 まず注目すべきは、八人の女優が一家八人を演じるにあたって、けっして個性を際立たせようとしないことだろう。…‥だれもがベルナルダでありうるし、ボンシアはマルティリオでもマググレーナでもアデーラでもありうる。八人の会話は個々のやりとりをこえて、まさしく「ベルナルダ・アルバの家」の、ひいては閉塞されし数知れぬ女たちの、いわば集団的な自問自答の様相を呈するのだ。最初から無名のコロスの一団を設置するのではなく、そのつど俳優と登場人物の一対一対応をずらしていくことによって生ずる動態的なコロス表現のあらたな可能性がここにある。
演劇批評家 「図書新聞」2002年5月4日

古典芸能の再構築――村上 湛
 観世栄夫演ずるスペインの根生の老女には、男の素顔で、男の地声で、「男」であることをそのままに「女」になってみせた、強烈なインパクトがあったのだ。古典芸能に造詣の深い岡本の演劇手法は、いたずらに伝統に依るのではなく、能なら能の様式・技法を一度解体した上で再構築するのだが、そこで残るのは、栄夫なら栄夫の、能役者として叩き上げてきた声・身体の実存そのものである。同時にそこには、劇を枠取る演出家・岡本章という外部の目があるから、栄夫の恣意によって声・身体が浮遊することはない。
能評家 「新・能楽ジャーナル」2002年5月1日号